心の支え

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 古庄が古庄でいる限り、この現象は変わらない。  歳を取っていくにつれて、女子生徒たちから想いを寄せられることは少なくなるかもしれないが、女性の心を一瞬で捕らえてしまうことは、これからも変わらないだろう。  ……でも、それも古庄の一部だ。それを否定して、古庄を好きでいる資格なんてない。  ……そう、真琴は思うようになっていた。  それに、いくら女性に言い寄られても古庄がふらついたりしないことは、出会ってからの1年半の間、彼を見ていたから分かる。同僚の谷口が言っていたように、鉄壁とも言える「無関心」で、女性たちを自分の領域には踏み込ませなかった。  真琴はふと目を上げて、懸命に真琴と同じ作業を続けている古庄の、端正な横顔を見つめた。 ――私は、あの人の妻になった……。  とても深い愛情と共に、特別な領域へと迎え入れられた。  自分のどこに古庄が魅了されているのかは未だに謎だが、真琴は古庄に心の底から想われ、求められていることは身に沁みていた。
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