ある少年とのお話

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 れいくんは何でここにいるのか分からないと言った。存在する理由が分からないから成仏することができないと。 「ごめんなさい、花那さん。幽霊と一緒の生活なんて気味が悪いですよね。ボクはなるべく気配を消していますね」  れいくんは私にこう言ったが、私はそうは思わなかった。 「別に大丈夫だよ。そりゃ、最初はちょっと驚いたけど、気味悪くなんかないよ」  これは私の本心だった。 「面白そうだし、幽霊と一緒なんて。君が暇な時でいいからさ、これからも私の前に現れてくれない?」  この言葉から、私とれいくんの生活が始まった。
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