不毛な争い

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◇ 作戦その三 いわばこの作戦は本命である。 いままでの二つの作戦は茶番に過ぎない。 全ては前座。 この名案を彩るための前菜なのだ。 そもそもなんだ、テレビ番組に嘘のセール。不確定要素がいくら何でも多すぎる。 よくこんな意味不明な作戦を思いついたものだ。 しかし、このあまりに洗練されたこの作戦を俺が思いついた時は自分が天才なんじゃないかと思った程である。 しかし、この作戦が失敗すれば最終手段に打って出るしかない。 そう、言わば最後の砦。 作戦名は「変態闊歩してるから危ないよ作戦」だ。 奴を家に帰すのに、必要な条件が二つある。先ずは、彼女に邪な考えを悟られてはいけないこと。そして、奴を穏便に帰路に着かせなければならないのだ。 このミッションの難しい所は、この男を一人で家に帰さないといけない所にあるのだ。 普通、パーティを自発的にお開きにする時には一人だけを帰らせると言う事はあり得ないのだ。 AからFくんの6人でパーティしてる時に 「B君だけ帰って」なんて言ってたらどう考えたってイジメを疑うだろう? しかし、この「変人闊歩してるから危ないよ作戦」ならその障害をたやすく超える事が出来るのだ。 そろそろ「変人闊歩してるから危ないよ作戦」の概要を説明するとしよう。 先ず俺が、終電が近いからと言ってこのパーティをお開きにする。 そして、彼女と友人の二人を家に帰そうとする。 しかし、そこで俺がスマホを取り出し。ニュースで今、近くで変態が出現しているという流れていると言う。 そこで、俺は彼女を外に出すのは危ないと紳士的な判断をし、家に残す。 しかし、先日成人男性になった奴は帰らせる。 以上だ。 どうだろう、完璧な作戦だろう?
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