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◇
「何・・・何を! 言って・・・」
衝撃のあまりに視界が揺らぐ感覚が脳を襲う
「君は今日、この飲み会で彼女を作った。そして今日はクリスマスイブ。君は彼女と二人きりになり、淫隈な行為に身を染めようとしていたのだろう!」
「な・・・何を言って!・・・そんなわけないだろう・・・・私はただ彼女が変態に襲われない様にと・・・・」
「なら・・・・そのニュースとやらの画面を見せてくれよ。」
「・・・・・・くっ!!」
「デタラメなんだろう?そもそもあの激安セールだって本当か怪しい・・・・「明石家サンタ」だって君が僕を帰すための発言だろう?残念だが・・・・僕は家で録画してある!」
「・・・・貴様っ!!!」
「変態がこの辺りに出現した?・・・違う!変態は君自身だ!!この聖なる夜の淫行野郎!」
「・・・っ!」
心臓の鼓動が加速していくのが聞こえる。突如として脳が大きくくらくらと揺れる感覚に襲われ、その場にへたり込んだ。
「え?・・・・・何これどんな状況?」
彼女はその光景を変わらずキョトンとした顔で見つめてそう言った。
終わりだ。
彼女の前でここまで言われてしまったのだ。
彼女とこの聖なる一夜を過ごす夢は儚く崩れ去った。
膝を地面につけ、今までの自分の愚かの行為を悔やむが時すでに遅し。
最悪、彼女と別れる事すらあり得るかもしれない。
そこで、この目の前の男に先ほどから疑問に思っていた事を提示する事にした。
「貴様は、そこまで気付いていて何故、帰らなかった。空気を読み友人の方を押すのが友の務めではないのか!」
「・・・・・!」
その時、始めて目の前の男の余裕そうな表情が崩れ去った。
「お前は、こんな事をする奴ではなかったじゃないか!空気を読み人を気遣ってやれる良い奴だったじゃないか!・・・・・それが、それがどうして!!」
「・・・・・・俺は!」
「・・・俺は!!」
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