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「ただいまー!!」
自宅のマンションの玄関で靴をぬぐ。
マンションだが、ふたりで考え、ローンを計算して購入したマイホームだ。
「お帰りなさい」
妻の千沙がいつもの穏やかな笑顔で出迎える。
「きょうも蒸すなぁ」
「ホント!肌がベタついて叶わないわよね」
千沙は大祐の書類ケースを受け取ると、可愛らしく鼻に皺をよせる。
「喉渇いたでしょ?」
振り向きながら千沙が声をかける。
「うーん!渇きまくり!頼む!」
大祐がおどけて手を合わせると、千沙は「はいはい」と言いながらクスクス笑った。
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