第1章

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「ただいまー!!」 自宅のマンションの玄関で靴をぬぐ。 マンションだが、ふたりで考え、ローンを計算して購入したマイホームだ。 「お帰りなさい」 妻の千沙がいつもの穏やかな笑顔で出迎える。 「きょうも蒸すなぁ」 「ホント!肌がベタついて叶わないわよね」 千沙は大祐の書類ケースを受け取ると、可愛らしく鼻に皺をよせる。 「喉渇いたでしょ?」 振り向きながら千沙が声をかける。 「うーん!渇きまくり!頼む!」 大祐がおどけて手を合わせると、千沙は「はいはい」と言いながらクスクス笑った。
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