「だからミハイは旅に出た」

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「わははははは!ボーズ!まだまだだなあ!!」 「くそジジイー!!」 城の中庭で。 吸血鬼一族の長であるアレクサンドル・バサラブに蹴り飛ばされて、城壁に激突して、オズワルド・ミハイは喚いた。 気まぐれに、本当に長の気分と都合で、手合わせの相手にされる。 長の命令なのだ。 しかも、ミハイにしか命じない。 何故なら、他の吸血鬼どもは、どれほど上位であっても顔色を変えて辞退し、許されるためなら平伏し懇願してまで相手を断るからだ。 しかし、ミハイは断らない。 それどころか、長の首をとる気満々で向かってくる。 それが長には心地よく、継承権第一位の若い吸血鬼にばかり声をかけることになるのだが。 それが更なる嫉妬を、この跡継ぎの身に呼ぶことも理解していた。
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