夏なんて

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   「ふぅー」 冷えたビールとおつまみをビニール袋に下げて、家に戻ってきた。 やっぱり、自分の家が一番落ち着く。 ……この暑さを除けばの話だが。 昼間よりはマシになったけど、まだモワッとするから窓を全開にして、外気を取り入れる。 少し落ち着いた所で、さっき買ったビール缶をプシュッと音をさせながら開けて、グッと流し込む。 「プハーッ!」 美味い!! BBQに行かなくとも、この至福の時間が味わえるならば、それでいいとさえ思えてしまう。 更にグビグビ飲みつつ、つまみを食べながら、おもむろにテレビをつけた。 夏だからこそなのか……心霊特集が流れていた。 ホラーとかあまり好きじゃない俺は、チャンネルを変えようとしたが、たまたま好みの女優が出ていたので、見てみることにしてしまった。 だが……苦手なものはやっぱり見るものではない。 その日の夜、怖さのあまり、風呂に入る時にビクビクしてしまって、思わず「女子か!」なんて、一人ツッコミ入れるほどだった。 「夏なんてなくなればいいのに」 怖さで暑さが無くなったりなんて、するもんか!
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