神社のキツネ

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年々上昇していく最高気温に、いつか蒸発してしまうんじゃないかと思う。 舌先に感じる水っぽい甘さの冷感は気休めだ。 喉元を過ぎる頃には温く、体の熱を一つも下げはしない。 額を落ちてくる汗の粒が、またこの暑さを余計に演出する。 「あー……だりぃ……」 社の縁に腰掛けて、鬱蒼と枝を伸ばす木々の隙間から、憎らしいほど青々とした空を見上げる。 参道の鳥居から流れ込む風は、アスファルトを撫で、照り返しで白む石畳の熱を吸い込む。 そうして皮膚に届くそれは、生ぬるいを越えて熱湯のようだ。 木陰を抜けて肌に照る日差しは、刺さるようで傷みさえ感じた。 最早、棒だけになったアイスキャンデーを未練がましく奥歯で噛む。 家に帰りたくはないが、あのエアコンだけは魅力的だ。
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