じいさん

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「これはっ、その……。……っ……。わ、わかりましたよ……。でも、万引きは」 お面を頭の横にずらしたそいつは、思った通りの童顔だった。 持ってきたのは、懐かしい、棒が二本刺さっていて半分に割れるアイスだ。 それを割ると、飛んだ氷の粒が肌に触れて溶けた。 一つを自分の口に、一つをそいつに渡した。 A「まぁ、食いなよ、これは大丈夫だからさ」 嫌がるかと思ったら、そいつは意外と素直に受け取った。 それを見計らってから、俺はポケットからくしゃくしゃになった紙切れを取り出す。 「ん」 アイスを頬張ったそいつに渡すと、ソイツは固まった。 ……まぁ、そりゃそうだ。さっきのアイスキャンデーのレシートだから。 じいさんの店の数軒向こうにコンビニがあって、さっきのはそこで購入したものだった。 「えっ、あっあのっっ」 この暑いのに青ざめるとは、見ていてちょっと涼しい。
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