2人が本棚に入れています
本棚に追加
「これはっ、その……。……っ……。わ、わかりましたよ……。でも、万引きは」
お面を頭の横にずらしたそいつは、思った通りの童顔だった。
持ってきたのは、懐かしい、棒が二本刺さっていて半分に割れるアイスだ。
それを割ると、飛んだ氷の粒が肌に触れて溶けた。
一つを自分の口に、一つをそいつに渡した。
A「まぁ、食いなよ、これは大丈夫だからさ」
嫌がるかと思ったら、そいつは意外と素直に受け取った。
それを見計らってから、俺はポケットからくしゃくしゃになった紙切れを取り出す。
「ん」
アイスを頬張ったそいつに渡すと、ソイツは固まった。
……まぁ、そりゃそうだ。さっきのアイスキャンデーのレシートだから。
じいさんの店の数軒向こうにコンビニがあって、さっきのはそこで購入したものだった。
「えっ、あっあのっっ」
この暑いのに青ざめるとは、見ていてちょっと涼しい。
最初のコメントを投稿しよう!