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ギシリッ…。
ベットが軋み、ジャラ…と手首に嵌められた手錠が鳴り響く。
その合間に低い喘ぎ声と荒い息づかいのみが聞こえてくるこの空間。
何故?どうしてこうなった??
鎖に繋がれた青年は僅かに残る理性で考える、がいくら考えても理解出来なかった。
もう何時間も彼は男に犯されていた。
それも実の弟に、だ。
「ほら、よそ見はしないで?」
そう言って彼の顔を強引に向かせる。
「はな…せ!いい加減にしろよっ…」
「よかった。まだそんな生意気な口が利けるんだね?それなら」
と、ここで一旦動きを止める。
そしてうつ伏せの彼の身体を力任せに仰向けの体勢に変えた。
「ひゃっ…あっ」
その間繋がったままだった為、中で擦れ敏感な所を抉られる。
お陰で屈辱的な声を我慢で来なかった。
青年は恥ずかしさと苛立ちで唇を噛み締める。
「ダメだよ、声を我慢しちゃ。彗の可愛い声もっと聴きたいのに」
彗〈すい〉と呼ばれた青年は弟を、自分を犯している男を睨みつける。
その瞳は「誰が言いなりになるか!」と強気に語っていた。
「仕方ないなぁ」
呆れたようにため息を吐き、そして天使のような笑顔と共に言葉を放つ。
「じゃあ、彗が僕だけを見るようになるまで犯し続けてあげる」
さぁーと彼の顔が青ざめる。
「や、やめろっ!!」
「…もう逃がさないよ?」
再び動き出した行為を止める間も無く、快楽に溺れていく。
本当にどうしてこうなった…?
「あ…やっ…んぁ……」
零れる声を抑える事はもう無理だと悟る。
「やっと繋がれたね、お兄ちゃん…」
小さく呟かれた声は闇に消えていった。
それはまだ夏の暑さが残る9月上旬の出来事だったーー。
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