第1章

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第1章

HRが始まる。先生は、イケメンで優しくて、ホント素敵な人―――っていう妄想はあるんだけど。実際は、ハゲメガネ。ハゲだとかメガネだとかは、どうでもいいけど、授業が物凄いつまんない。地味に怒りっぽいし。みんなからも人気なし。先生の名前は、小川先生なんだけど、ハゲ川と呼ばれてる。ちなみに、そのハゲ川は、ひいきが凄くて、可愛い子、頭がいい子、運動神経がいい子をひいきして、他の人は、空気のように扱われる。そういう面も、いただけない。 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ…… ナナメ後ろからボールペンか何かを何度もノックする音が聞こえてきた。いつもだ。ナナメ後ろの田中勇真。田中は、とにかくうるさいヤツだ。高校生にもなって。高校で、クラスはずっと(2年しかいないけど)一緒だったのだが、何故か喋ったことがない。なんか、世界が違いすぎるというか。田中の周りには、沢山の男子が集まっていて、人気に見える。時には、女子がいることさえもある。私にはそんなことがない。いわゆるグループというものがない。真理と仲が良いというだけだ。だから、少し憧れちゃう。だから、妄想して、心を満たす。イケてるグループにいるという設定で。でも、妄想しちゃうと、完全に満足しちゃうから、いつまでたっても非リア。まあ、私はそれでも構わないけど。
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