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アミラの母は子供の成長というのはあっという間に過ぎ去っていくのだとしみじみ思った。
きっとアミラのような良い子どもには素敵な旦那さんが出来るのだろうとふと思う。
勿論寂しさもあるが、わくわくする感情が勝った。
素敵な子どもに育ってくれて良かった。
アミラもラピスも母の自慢の娘だ。
夕食を食べ終えた二人は夜のパーティーの準備の為、おめかしの衣装に着替え始めた。
アミラは踊るより笛を演奏する事を好んだ。
また、アミラの演奏はどこか心が癒されると評判で、アミラの民族の皆が聞き入った。
倒木の上に座り、笛を奏でる。
火を囲み踊る人々。
この世の無情も忘れさせるほどにこの集落の者達は音楽に身を委ねる。
アミラがいつもの如く男性達からの誘いを断り、人混みから抜け出る。
アミラは1人ひっそりと仰向けになりながら暗闇の中、夜空を眺めた。
きっとバレたらお母さんに怒られてしまう。
最近は特に治安が悪く、人々は魔女裁判にかけられて疫病が流行った。
だから、バレないようにこっそりと。
アミラには常人に見えないものが見える。
昔は夜空を見れば、花畑の上でフェアリーが楽しげに歌を奏で踊っていたが、今では殆ど見られなくなった。
かわりに黒い闇の霊達が飛び交っている。
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