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【13】
「――――あの」
「ちょっと待て。俺に先に喋らせろ」
例の場所に現れた椿田さんは、相変わらずの咥え煙草で何か紙袋を差し出した。
「転職祝いだ。開けてみ」
「え?……ありがとうございま……って、何ですか!これ!」
「見りゃ分かんだろ。サイズは合ってるはずだし、安モンじゃねぇぞ。洗濯機じゃなくて手洗いしろよ」
下着。上下セット。色は赤でレースも派手な上に、可愛らしいラッピングがまた恥ずかしさを煽っている。
あの名刺もわたしが居ない隙に忍ばせたのだろうから、これもお風呂とか行ってる間にわたしが着てたのをサイズ見て、という――――。
言葉を失っているわたしに彼は言う。
「ホントは大人のオモチャでも入れて反応見たかったんだけど、刺激強すぎるかと思ってな」
「そこは詳しく聞かないでおきます。……ええと、これは何かの嫌がらせですか」
「察しがいいじゃねーか。2か月近くもシカト決め込んで心配かけやがって」
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