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「折角の席ですし…。
佐野先生にはこれからお世話になるので
1杯だけ付き合ってください。」
この人絶対絶対性格悪い。
郷中さんの笑い声が少し遠いところで聞こえて。
それが切なくて私はうつむいた。
話しかけたかったな。
今日はやけに郷中さんが遠く感じる。
「佐野先生!乾杯。」
その声にハッとして結城先生と乾杯した。
「かん…ぱい。」
こうなったらもう自棄糞だよね!
郷中さんと一瞬目が合ったような気がしたけど
私はビールをイッキに飲み干した。
「良い飲みっぷりですね。
佐野先生もしかして強いんじゃないですか?」
「おかわりっっ!」
もうどうでもいい。
この人が横に居たらどうせ楽しくないし。
飲めばいいんでしょ飲めば!
「おーい!結城先生。
佐野先生あんまり強くないから
飲ませすぎちゃ駄目だぞ。」
「郷中さん!私平気です…。
今日は何だか飲みたいんですっ!」
「あんまり無理するなよぉ。
心配しちゃうだろー!」
心配、してくれるんだぁ。
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