四章 呪われた村

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猛はサイドブレーキをかけ、車外へ出ていく。ユキも続く。 ここは念写の予知どおり、二人で倒木をどけるしかない。村へ行くには、どうしても、この道を通るしかないのだから。 けんめいに力をあわせた。 時間はかかったが、どうにか、道のわきにどかすことができた。 車内に戻り、ずぶぬれになった体をタオルでふく。 「時間くったなあ。今、何時?」 猛が言うので、腕時計を見る。 「二時半」 「腹へったなあ」 え? こんなときにーーと思ったが、 「あ、そうだ。おにぎりとか買ってある。ずっと車内に放置してたから、いたんでなきゃいいけど」 食糧は無事だった。木陰に停めてたから、車内の温度が上がらなかったようだ。 コンビニのおむすびやパンを二人で食べる。自分で思ってたより空腹だった。思わず、がっつく。 「おいしい。疲れがとれる」 「だろ?」 ずっと、この人といっしょにいたい。切実に、そう思う。 「じゃあ、行こうか」 「そうね。何も起こってないといいけど」 ところが『何か』は起きていた。 村について、すぐ異変に気づいた。 いやに村じゅう、さわがしい。懐中電灯の光が、あっちこっちに、かたまりになって、闇をうごめいてる。 「いったい、何があったの?」 「わからない。でも、用心したほうが、よさそうだ」 ふたたび、材木置き場に車を停めた。 ユキは猛と二人、村へ続く道を歩きだした。
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