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「今回、都知事絡みで、飼い猫達が動き出しています。その中には、貴方が、最も欲しがっている野良猫も混ざっていました」
『ヒャヒャヒャッ!そうか!アイツもいたのか!こりゃ、更に不動ジジイと交流を深めていかねぇとな!』
「ふふふ。上手くいけば、あの一匹を飼えるかもしれませんからね。気を抜く事などありませぬよう、なるべく注意しないと」
弟の上機嫌な声音に、雀は、穏やかに笑んで読日テレビの方に視線を移すと、左手に持っていたリモコンのボタンを、誰にも気付かれないように静かに押した。
ドォォオオンッ!!!!
「「「ウワーーーッ!!」」」
「「「キャーーーッ!!」」」
読日テレビの一室が、突如、目映い閃光を放って大きく爆発し、下方の道路の方へ割れた窓ガラスが飛び散って、テレビ局周辺にいた野次馬達の悲鳴が響き渡る。
その悲鳴が響く中、夜空に向かって登っていく黒煙を見つめていた雀は、小さく嗤って踵を返すと、静かにこの場から歩き出した。
『ヒュー♪見事な花火が上がったんじゃねーの!』
「えぇ。これからのわたくし達の成功を祈ってでしょうね。
空真、呉々も警察と飼い猫達には、邪魔をなされませぬように」
『ヒャヒャヒャッ!お互いにな!』
空真のこの一言の後、直ぐに電話が切れると、雀は、路地裏で待つ自分の部下と合流し、夜の東京の街並みの中へと消えていった。
時計の針が、深夜1時を少し越えた。
「八咫会が現れただと?」
その頃のRe:set本部のリビング。
ミッションに出動していた洋一、守政、周防の帰りをソファーに座って待っていた檜原が、半信半疑な声を上げた。
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