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暗躍する雀と、邪淫な楽天家-2
コンコンッ
午後1時半の、とある高層マンションの一室。
「誰だ?」
一人のボディービルダー張りの体格をした褐色肌の男が、ベッドの上で寝転がりながら、ドアを見つめて問い掛けた。
「讃岐地です。入っても宜しいでしょうか?」
「ボスの姉さんか。応、いいぜ」
「ふふ。では、失礼致します」
雀がドアを開けて室内に入り、男を見て穏やかに微笑むと、彼はベッドからゆっくり起き上がり、そのままベッドの上で胡座をかいた。
「水俣さん。其方の最近の様子は如何ですか?」
「上手くいってるぜ?言う事を聞かねぇ爺共を金で釣ったり、脅したりしてな。そう言うそっちはどうだ?」
「順調にございます。地道に都知事の支持を世間から集め、この条例が上手く成立する為の地盤は、整いつつある状況です。
ですが、一つの大きな問題点が浮上してまいりました」
「何だそれは?」
水俣が、雀を怪訝そうに見つめて問い掛ける。すると、雀は穏やかに微笑んだまま話し出した。
「飼いネコ達が、この条例を阻止しようと動き出しました。そして彼らは、わたくし達の存在に気付いているご様子です」
これに、水俣は小さく頷きながら、舌なめずりをして雀を見た。
「その中には、ボスが一目惚れした野良猫がいんのか?」
「はい、左様でございます。ですが、水俣さん。彼には絶対に手を出してはいけません。
手を出した場合、ボスは、わたくしと同様に、苛烈な手段を取り兼ねませんので」
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