1、レッテルの愛

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私はロマンチックしか愛せない。愛する人に触れる瞬間。それを、求める感覚。愛を、欲が、指先で 愛する人の体を這う。 彼は私にとって最高にロマンチックな人だった。彼には帰る場所があり、私に全力のすべての愛はそそげない。それでも、彼を愛していた。彼自身と二つの愛に私はロマンチックを感じていたのかもしれない。誰にも言えない恋だった。透き通るほどの綺麗な愛だった。そこらの男女には負けないくらい。切実で、互いが互いを想い、愛し、求めあっていた。それなのに他から見る私たちの関係は”不倫”でしかなかった。そのレッテルが不完全な愛にした。不倫は非常に興味深いものだ。二つの愛は存在するのだろうか。半分の愛を知っている女性は考えざるを得ないものだろう。
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