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一年前のイヴの日、瑠実と時の広場で会う約束をしていた。夜9時に会う予定だった。
だが、俺の方の仕事がその日トラブル続きで、その処理に追われてしまったのだ。
壁掛けの時計を見ると、すでに午後8時30分。
例え、今からすぐ出たとしても間に合わない。俺は途端に諦めモードになり、特別に急ぐこともなく淡々と仕事の処理をした。
今思えば電話かラインの一本でも入れれば良かったのだが、仕事が押していたことと、正直面倒にも思えてしなかった。
9時30分になる前くらいから、何度かスマホのバイブが鳴っていたが、取ることもなく、俺はただ事務処理を片付けていた。
10時を回った辺りから、スマホのバイブは鳴らなくなり静かになった。その時、仕事で頭がいっぱいだった俺は、ひどいと思うが、どこかホッとしたのを覚えている。
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