6人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから十年。
僕は大学生になった。
長期の休みにしか実家には戻れないが、
「大輝ー!
これお願い」
夏休みの間は民宿の手伝いをしている。
短い休憩時間をもらうと、毎回浜辺へと行く。
あれから友達や仲間も出来、毎年楽しい夏が過ごせている。
あの時の彼女と同い年になって初めて、何気ない優しさを普通に出来ていた事に感服する。
彼女にはあれから一度も会ってない。
「彼女どこで何してるんだろうな」
そう呟くと、
「夏を楽しんでるに決まってるでしょ」
潮風に乗って、波の音と彼女の声が僕を優しく包んでくれた。
最初のコメントを投稿しよう!