第四章 赤い花 白い花

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 そう聞くと、いい病院の気もするが、資料には書かれていないこともある。 新人の医者が、練習をする場であったのだ。 俺は、文字から、過去を想像していた。  無料であるので、誤診をしても、誰も責めなかった。 それが、やがて実験の場になり、患者は様々な治療を試されていた。  それが発覚しそうになり、病院を建設し、 きちんとした設備のある施設であることをPRしたのだ。  その名残であるのか、今でも最新の治療をするという姿勢が強い。 最新という実験の場でもあった。 「病院か……」  あんまり、好きな場所でもない。  再度、丼池に電話を掛けてみると、やはり出なかった。 では、俺は一人で行こうかとすると、息を切らせて丼池が生葬社のドアの前に立っていた。
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