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やはり、俺は、丼池に後悔して欲しくない。
建築家として、一流になって欲しい。
すごい建物を設計したり建設しなくてもいいが、
古民家の再生では丼池が世界一だと言われるようになって欲しい。
社用車で行こうとすると、丼池は自分の車に乗っていた。
「丼池君、社用車があるから、それでいいでしょ」
「それ、遊部さん以外、運転できませんよ。難し過ぎる」
確かに、それは丼池の意見が合っている。
丼池の車に乗り込むと、
俺は、丼池が情熱を持って俺の実家を見ていたことで、
両親も実徳もすごく喜んだ事を告げた。
「古い、悪いとか遅れているではないと、世界中に言って欲しいよ」
「それは、続けていきます。でも、少しだけ分かってください。
生葬社で遊部さんと出会ったからこそ、俺は生き甲斐を見つけたのです」
どうしょうもなくなっていた丼池家に、光を入れてしまったのが俺なのだという。
昂は眠ったままであった。
丼池は、親のために、子孫を残さなくてはと思いつつも、男性にしか興味はなく、
罪悪感に打ちのめされていた。
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