第四章 赤い花 白い花

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 昴を目覚めさせ、丼池家を朝にしたことで、 それぞれに夢があった事をやっと思いだした。 丼池は、昴が目覚めるまで古民家の再生など諦めていたという。 丼池家に、昴という存在が蘇ったからこそ、 丼池は日本中、世界中を駆け巡っても許される存在にもなれた。 「母さんも、やめていた趣味を復活させました。母さんは庭師なのです。 家の庭は、皆、母さんの設計です」  子供が外で遊べるように、庭を展開していた。 閉ざされた空間で、子供は守らなくてはいけないと、丼池の母親は中庭を造った。 「丼池君の建物好きは、母親の影響だったのか」  母の再婚相手の、父親の片腕になるためなのではなかったのか。
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