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病院の中に入ると、どこかひんやりとしていた。
古い病院のせいか、やや内部が暗い。
患者の作った、絵や手芸の美術作品が展示されているが、
それが、何故か怖いという思いに拍車をかける。
ここは、まるで、大きな墓標のようであった。
明るく清潔で、どこか理科系の研究所のような、最近の病院のほうが俺は馴染み易い。
廊下を歩いていると、上の看板が揺れていた。
エアコンの風で揺れているのか、八の字型に揺れ続ける。
救急車の音が、遠くで途切れる。
そのまま歩いていると、救急搬送センターに入ってしまった。
救急搬送センターには、沢山の人がいた。この病院で、一番人が多いのかもしれない。
皆、不安そうに名前を呼ばれるのを待っている。
俺もベンチに座ると、様々な声を聞いていた。
台所で倒れていた、公園で遊具から落ちた、原因は様々であった。
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