76人が本棚に入れています
本棚に追加
――別の日。
初めて新しいメンバーで執行に向かい、その時にワオンさんが防御メインの攻撃型で、妹と同じタイプだと発見した。
リーダーと組む位だから防御だとは思っていたが、動きに無駄がなく攻撃に回ってもきっと上手いに違いない。
執行の相手は蛇だったが与えられたエリアを片づけた後、リーダー達が終わるのを観察出来たので、その時に分かった。
「初めてとは思えないね、既にどっかの応援とかで執行してるなアレは」
「だろうね、私達の時とは全然違うしあんなに優秀だと、むしろ私らがいらないよね」
「いや、人それぞれタイプがあるしお前らの代わりはいない」
上から目線で割り込んできた啄にイラッとしかけたが、本来先輩だし社長の孫の一人だったのを思い出した。
蛇のアジトを仕上げに薬で消滅させ、隣に移動して来ただけなのに、能書きだけは多い。
「ワオンさんが入ってボンレスこそ身内から何か言われるかもね?親族としてそんな体型は許しがたいとか」
「言われてねーよ、体型は関係ないだろ!でもアイツが仲間になったら、実力だけだと爺さん達嬉しいだろうな」
執行を終えリーダーがドアを出すと、扉を潜って皆で消毒の通路を渡りそれぞれシャワー室に向かった。
着替えを済ませ髪を乾かすと、受付に荷物を預け仕事終わりのパンとコーヒーが用意してある部屋を目指す。
「あー腹減った、でも完璧な人はミスするとヘコむだろうけど、私らは優秀じゃないから失敗しても気にしなくて済む」
「それっていい事なの?ワオンさんが凄いのは分かったけど、私達は自分のペースでないと基本頭悪いしね」
ドアを開けると既に皆パンを頬張っていて、リーダーはワオンさんにアドバイスというか注意をしてるように見えた。
「どうしたんですか?初仕事で文句ですか?」
「チゲーよ!なんで俺が話すと怒ってるように見えるんだ」
顔が怖いのでイチャモンをつけてるようにしか見えないのは可哀想な部分とも言える。
「ワオンは優秀だけど、力をまだ出しきれてねぇ」
「凄く勉強になります」
ワオンさんも熱心に聞いていて、私達は様子を見ながらパンに手を伸ばしていた。
最初のコメントを投稿しよう!