別れと出会い

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「私らの双棒じゃ無理みたい」 「また課題が増えたね……ワオンさん、ブーメランが割れる時に相手の姿見えた?」 「いえ早すぎて全く、でも金属音みたいなのがしたので……鎌使ってるんでしょうか?」 三人で苦笑いをしたが呑気に引きつった顔を見せ合ってる場合でもない。 「凱のチカラのせいか何となく姿は分かった、鎌は出せるけど様子も見たし帰る?」 「ダメでしょ、せめて待機で向こうの出方見るとかさ」 「俺は匂いと気配位しか……百合さん犬螺眼ではどうですか?」 意識して出せと言われても、急に出てくるもんでもない。 困っていたが瑠里がライトを当てると、もう犬螺眼出てるじゃんと言われ少し恥ずかしくなった。 いつも目の回りが熱くなったり『来るかも』という前触れがあるのに、今回は前触れがなく自分でも気付かないくらいだ。 「般若の目が金色なんてもう魔界の住人にしか思えないよ、どう?魔王は何か変わった物が見える?」 「誰が魔王だ!うん?何か動いてる……ってかこっち来てる!」 私の声を合図に三人が散らばると、勢いよく走って来た何かがワオンさんに向かって行く。 双棒と稲膜で何とか交わしたが、彼の頬からは紙で切ったような細い傷があり血が流れ、瑠里は反射的に敵を追いかけていた。 犬並みの早さはカマキリの時で薄っすら覚えていたが、その妹を追う自分まで同じ速度を保っている事に驚いた。 『凄いコレッ!』 風に乗るように走る敵に追いつきそうな私達は、相手の姿がボンヤリと見えてくる。 「忍者みたいな物体発見!」 高速で走りつつ報告をする瑠里に、同じく見えておりますとレンジャー的な返事をしていた。 「そこの君、逃げても無駄だ!直ちに止まりなさい」 追いつけた事に喜びを感じているのか、化け物みたいな相手に大きな声で呼びかける瑠里。 正直こんなに速く走れて嬉しいが、それからの作戦はどう考えているのかと不安になっていた。
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