青刺繍の応援

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いつものように消毒の通路で顔の筋肉をブルブルされると、シャワー室に向かい全身を綺麗に洗う。 任務が終わるとシャワーと着替えを済ませ、好きなパンを食べて帰るのが習慣になっているので、髪を乾かす頃にはお腹の音がこだましていた。 受付に行くと木村さんが笑顔で迎えてくれる。 「お疲れ様、無事で良かった!あの部屋にコーヒーとパン準備してるからね」 部屋のドアを開けると、シャワーを終えた男性陣が一斉にこちらを注目した。 「お……お疲れ様です」 控えめに挨拶をすると、私はあんぱん妹はカレーパンを手に取って、早速頬張り始めた。 イザリ屋で出されるパンは体力回復と共に、空腹を満たしてくれる。 初めの問診で聞かれた好物のパンなのも気に入ってて、いつ食べても飽きない味だ。 周りからの視線は感じていたが、特にジッと見てくる不服そうな顔のリーダーと目が合い、思わず食べていたパンを隠した。 「あげませんよ?リーダーはジャムパンでしょ、浮気しないで下さい」 「ちげーよ!お前らどんどん差を広げやがって、さっきまで青刺繍に欲しいってこいつら騒いでた」 パンを食べ終えた樹さんは、私と妹の間の椅子に座ると笑顔を見せコーヒーを口にしている。 非常事態だったとはいえ、いつもと違い無残な地獄絵巻のような光景を目の当たりにした反応とは思えない。 自分でも後々になって落ち着くと、もっとマシな感じの倒し方は無かったのかと内心ブルーな位だ。 「二人共やっぱ無色チームだと勿体無いよ、青刺繍に入って経験積もうよ!」 「またか……この姉妹は無色だ!社長が決めた事だし、スカウトはお断り」 ウチのリーダーが樹さんの正面に座り、睨みを効かせている。 「因みに赤刺繍からも声掛かってるが、月影姉妹は渡さないからな」 期待をもたれるのは有難い話だが、今回の応援での内容からすると、自分の評価はまだまだ。 妹も危険な目に合ったし、毎回あのレベルの敵が出る事を考えると胃潰瘍になりそうだ。 それに経験不足という大きなハンデがあるので、まずは無色でしっかりと任務をこなす必要があると強く感じた。
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