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「違う!」
「え、違うの?」
「ああ・・・」
だって、どこからどう見ても不審者にしか見えないし。
フードで顔を隠して全身真っ黒じゃ、不審者と勘違いされても仕方ないと思う。
「顔が隠れてなければいいのか?」
俺がそんなことを考えていると、不審者?はおもむろにフードを外した。
そこから表れたのは、隼人とはまた違った美形の顔。
彫りの深い顔立ちに、凛とした切れ長な目。
腰まである灰色の髪に闇より深い瞳。
うん、ものすごい美形さんでした。
「てか、さりげなく人の心を読まないでくれますか?」
「仕方がないだろう。勝手に流れてきてしまうんだ」
それ、俺のプライバシーどうなんの?
しかも、よく見る話だとそういう事が出来るのって・・・
「あんた、神様なの?」
「いや・・神は神でも、俺は邪神だ」
「へぇー」
邪神、ねぇ。
てっきりこういう時に出てくるのって創造神だとか思ってたけど。
ん?
邪神って悪い神様じゃなかったっけ。
人にとって災いを齎す神とかなんとか。
でも、そんなふうには思えないな。
この人?からは何かとても・・・
「・・・驚かないのか?」
「まぁ、なんとなく予想してたので・・・」
こういう展開を知ってたとも言うけど。
「なるほどな」
どうやら邪神様は勝手に納得してくれたようだ。
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