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女子高生刺殺事件
「おい、聞いたか?」
「どうしたの?」
僕は今スーパーで働いている。品出しをしながら同じシフトに入っている相方と駄弁る、バレない程度にだ。
「また昨日、殺されたんだってよ?女子高生」
「また?まだ朝のニュースで騒いでるのに?」
コイツは噂好きで良く噂話を僕に話す相方だ。
「それがよ…朝刑事が来たんだけど
その刑事が聴き込みっつーの?してる間に
このスーパーの向かいの家の女子高生が殺された
んだと?怖ぇよな!?」
「本当にっ!?」
前言撤回、どうやら警察の動きも把握している厄介な犯人らしい。前代未聞の事件になりそうだ。
「今何人目だっけ?」
「確か……五人目だぜ」
「話してないで早く作業しろ!」
「やべっ、じゃあな」
「うん、ありがと」
店長に怒られながらもなんとか今日を乗り切ることが出来た。今、相方と駄弁りながら帰り道を歩いている所だ。
「もしかしたら犯人は店長だったりしてな(笑」
「有り得る、店長昨日もライブ行ったらしいし」
我がスーパーの店長はアイドルの追っかけだ。
もう四十越えてるのに疲れ知らずだし。
「真面目な話だけどよ…………」
「ん?」
急に相方が真剣な顔を僕に向けて考えている。
何かを迷っているみたいな、何と言えば良いのか
考えている顔だ。
染まる事に慣れていない顔が歪む。
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