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女子高生刺殺事件
あの帰り道から数日が経ったある日、店長が行方不明になった。
「ねぇ…店長どうしたのかな?」
「………さぁな」
あの話から相方の様子も可笑しい。これは何か有ったのだろう。
「………店長に何話たの?」
「何にも」
「嘘だ……様子変だもん」
「………………………悪ぃ」
相方は目線を下に持って行き、制服のエプロンの端を握り締めた。
「ちょっと話良いかな?」
突然、目の前にスーツを綺麗に着こなした男が現れた。僕は咄嗟に刑事だと思った。
「あの時の刑事さん…どうしたんッスか?」
成る程、殺されたのが女子高生だから生活安全課が出て来たのだろう。
何故知ってるかって?今刑事さんが手帳を目の前に翳してるから。しかもこの人刑事さんではなく警部さんだった。
「店長さんの事で少し」
「俺達、何も知りませんよ」
「僕も何も知りません」
警部さんは何も言わずずっと僕達の顔を見つめている。
「そうか……悪いね」
そのまま何も言わず背を向け歩き出す。
「本当に言わなくて良かったの?」
「良いんだ……知らねぇのは事実だし」
相方が全てを知らないのは事実だから僕も何も言わないことにした。
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