第2話 影狼組

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「もう一度聞くが、お前は俺たちのことを知っているようだな。」 「は、はい。噂程度ですが・・。」 恐る恐る返事をする。 「ならば話は早い。」 眼鏡をした男は改めて燕を見る。 「俺たちは本来、影狼組であることを人に知られてはいけないんだ。その理由は、ここ「呉羽町」の中心に建つ「呉羽城」の隠密組織として手を組んでいるからだ。」 「隠密組織…。」 噂とは少し違っていた。 すると、透麻は立ち上がり障子を開けてみせる。 外には青い空の下に大きな城が見えていた。 「あそこが呉羽城。そこの城主の名は「三崎徹」といって、俺たちはあの人の隠密組織としてこの町を守っているんだ。」 透麻は城を見せながら説明を挟んだ。 「昨夜、この建物の表が普通の店だったでしょ?」 「え、ええ…」 燕は昨夜のことを思い出す。 「普段は正体を隠して甘味処を営み、そして便利屋として町の人の依頼も聞いているんだ。」 「隠密組織が便利屋を…ですか?」 聞き返すと、透麻は頷いた。 普通の隠密組織は正体を隠してもそんなことはしない。 「言っただろ。俺たちの仕事はこの町を守ること。だから町人を守ることも仕事のうちだってことだ。」 今度は清四郎が口を挟む。 「噂では平気で人を殴ったり殺したり、無粋な真似をする輩だって流れているが…。」 「殺したりはともかく・・・まあ、あながち間違ってはいませんよね。」 眼鏡をした男の言葉に透麻は困ったように微笑んだ。 「けど、仕事とは言っても俺たちは隠密組織。無闇に正体を明かしてはいけないんだ。」 朝霧は付け足すように言う。 そんなに見られてはいけないことなのかと燕は心の中で思った。 「それなのに、最悪なことに俺たちの本来の姿をお前に見られてしまった。これは見過ごせないことだ。」 男は険しい顔を向ける。 嫌な予感がした。
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