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「透麻の言うとおり、俺も君を歓迎するぞ!」
突然、朝霧は縁側で燕に叫ぶように言った。
「あ、朝霧さん!?」
清四郎は驚いて声を上げる。
「そうだね、僕も歓迎するよ。ね、蓮司?」
「ああ。」
一吉と蓮司も朝霧の言葉に賛成する。
「清四郎さん、ここは認めたほうがいいじゃないですか。」
朔は彼の肩に手を置く。
皆の盛り上がりに青年はため息をつく。
「まあ元々は俺が悪いし、認めるしかないだろ。」
眉を八の字にし、微笑む。
彼らの賑わいに燕はポカンとした。
「だ、そうだ。これからよろしくな、燕!」
透麻は燕に笑顔を向けた。
「え…。」
「それじゃ、今日は料理に腕を振るわなくちゃね!」
「お、さすが一吉さん!」
透麻は声を弾ませる。
燕は彼の背中を呆然と見つめた。
「燕!」
自分の名を呼ぶ声に反応し、ハッとする。
すると彼は笑顔で燕の手を握った。
「行こう!」
「…はい!」
燕は返事をし、透麻に手を引かれて彼らのもとへ駆けていった。
(俊宏様、私はどうやらこの者たちと一緒に生きていくようです。なので、あなたのもとに行くのはもっと先になるでしょう。)
主に語りかけるように心の中で呟いた。
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