①賀月の初体験

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諄太は立ち上がって、 「今日は帰るね、マンガありがとー」 振り返りもしないで出て行った。 どうしていいのか…解らなかった。 追い掛けて何か言い訳をした方がいいのか? このまんま明日、普通に迎えに行けばいいのか? 男同士の友達って、 こんな時どうするんだっけ? オレは諄太が好きだから… 普通の男同士の友達って、 どんなだったか解らなくなっていた。 ほんとはすぐに追い掛けて言い訳したかった。 あんな 「オレも初体験済ませていいよね」 なんて言って欲しく無かった、    聞きたくない… 勝手だけど… 身勝手だけど… 胸が痛くなるのを感じながら拳に力が入った。 作った拳でベッドのマットを殴った。
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