③東校舎の屋上

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休み時間の度にエリカは後ろを向き、 諄太に話し掛けている。 この頃は、西島も加わり諄太の席に集まり3人で話をしている。 『成沢君に何度も付き合ってよ、って言ってるのにさ、全然OKしてくれないし』 ってエリカの声が聞こえてきた。 「エリカとは、付き合えないよ」 『…なんでよ』 「なんでも…  分かってるんじゃないのエリカも… あるとしたら、まだ、さと美かな…?」 そんな諄太の声が聞こえてきた。 その言葉に俯きそうになるオレ。 何も気にしてない、何も聴こえてない そんな態度で外を見続けるオレ。 『えー、じゃ付き合ってよ』 って西島の嬉しいそうな声が聞こえた。 オレは机の上に組んだ両腕を乗せ、その上に頭を置き突っ伏し聞いていた。 「…あるとしたらって言ったろ…」 『じゃさぁ 成沢君 ちょっと真面目に考えてみてよ』 『やだー なんで、さと美なのよ、 あたし、ずーっと成沢君が好きなのにー』 ってエリカが怒った声を出した。 屋上で、 『あたし、成沢君が好きなの』って言っていたエリカ。 それなのに…何で? オレと… 溜息を吐き、 オレは立ち上がりトイレに向かった。
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