③東校舎の屋上

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  職員室に入ると教科担任が、 「あー 済まないね、これ」 って言って手渡された。 「すぐ 私も行くから先に教室に行って配っておいてくれないか」 って言った。 教室に戻る途中、西島が、 「栗原君、さっきの話、成沢君には内緒ね」 ってキラキラした顔で言った。 好きな人の話をするだけで女子って、こんなに雰囲気が変わるんだって思った。 諄太にエリカとのHの話を西島がしたと聞いてる。 そんな事を言うようには見えなかった。 『諄太にオレとエリカの事、話したって聞いたけど…』 「もしかして、Hの話?」 オレはチラッと西島を見て前に向き直ると、 「頼まれたのよ、ごめんね、成沢君の反応を見たいからって、エリカと栗原君がやったって言ってって」 西島がオレを見て、 「でも、本当はやって無いんでしょ、そう言ってたよエリカ。やってないけど、やったって言ってって… 後で成沢君にはちゃんと説明しておくからって」 『 … 』 またオレを見て、 「ちゃんとエリカ説明したんだよね? そんな事で成沢君と栗原君、仲悪くなったりして無いよね?」 って心配そうにオレを見るから、 『ん、 何も変って無い』 ってオレは言った。 西島は、 良かった成沢君にやな思いさせたか と思っちゃったって微笑んだ。 羨ましかった。 好きな人の話を、 諄太の話を口に出来る西島が…
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