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A「食ったら戻れよ」
目の前に差し出された氷のアイスと言葉は清涼感たっぷりで瞳を伏せると、猫が私を視界に捉えても知らぬ顔で去っていく。
揺れた空を覆う緑が重なり合ってざわざわ音を立てたのを良いことに聞こえないフリして戯けてみせる。
B「え、なに?もっかーい!」
A「ハハッ!バーカ」
向けられた笑みは泥んこ遊びに夢中になった時の、あの頃のままで目の奥が少し熱をもつ。
B「バカはどっち…」
喉から出た声に満たない微かな音。
急激な違和感は、彼岸に戻る合図。
それはいつも突然で、気持ちばかりを先走らせる。
募る想いは頬を伝う涙みたいに溢れて止まらない。
A「……来年も待ってる」
頭に伸びてきた大きな手が触れるより早く、再び吹いた風に体は溶けた。
泣きそうな顔を見たくないのに"来年もいい人ができないで"と願う自分がいる。
ごめん、まだ好き。
ー……バカは、私だ。
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