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――三十秒後――
「たっく~ん~ ごめんね~……さっきのは嘘だよ~……本当は好きだよ~。大大大好きだよ!!」
部屋に戻ってきた唯愛は、再び後ろから抱き着いてきて、俺の頭を撫で回す。
ほら、やっぱりこうなった。分かってるからな。いつものパターンだし。
ただ今日はやけに早いな。発射する時間もなかった。
あの時以上に厄介でうざいが、まぁ、この状態になった姉を止めることは出来ない。俺の話を聞こうとしないから。
それに力もなんだかんだで強いし。力ずくで解くこともできないし。
仕方ない。付き合ってやるか。家族サービスってやつだ。
え? なんで俺が分かっているのに、あんなことするのかって?
事実をただ言っているというのもあるが、こっちのほうが都合がいいからだ。
意識がない分、俺からすれば幾分かマシなのだ。
「う~~にゃ~~うぅ~~」
まぁ、この幸せそうな顔を見ていたら、こっちも邪険には出来ないし悪い気もしない。
それにこの状態で、あかりちゃんを見ながら一発というのも背徳感があって、悪くない。……かも。
むずっ……。
ん? 俺は自分の股下に違和感を覚える。
どうしたんだ? マイサン? そんなに震えて……。
はっ!? これはまさか、生理現象!?
(くっ!! やばい。これは、ダメだ。爆発する……!)
一応言っておくが、これは馬鹿姉に反応したのではない。
あかりちゃんに反応したのだ!
……ってそうでもない。確かに、あかりちゃんで俺のナニはエレクトし始めていたが、それではないんだ。
ただ、別の生理現象。尿意が突然として沸き起こっただけだ。
そして、ついでに今気づいた。俺今日一回もトイレに行ってなかった。
学校では、小学校のみんなのこと考えていたし、家に帰った後も、写真整理がどうこうで、時間がなかったからな――と分析している場合ではない。
早くトイレに行かないと……
「たっくん~~……ぎゅぅ~~」
「……動けない」
ははは……どうしよう? このままだと、膀胱が爆発しちまうわ。
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