1-3 現れる変態たち――姉2

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 ちなみに唯愛という名前は、たった一人、生涯を自分と共に過ごし、深く愛せる人を見つけてほしいという願いから来ている。  そのときの二人が、そうだったように。  実際、名前は自分のそのときの惚気からきているんだけどさ。  いい名前ではある。俺でもそう思う。  確かに、二人の願いは叶いはした。  が、何処で歪んだのか、その愛が俺にやってきた。迷惑極まりない。 「絶望じゃないよ。むしろハッピーだよ。仕方ないなーお姉ちゃんが傷を癒してあげる!」  癒されるべき傷なんてない。というか、逆に癒されない。 「俺、友達の家に泊まりいくわ」  パソコンに映し出されているあかりちゃんの画像を『嗜好画像』というフォルダに保存し、電源を落とした。  そして、いろんな意味でふらふらとするその体で、財布だけ持って部屋を出て行こうと立ち上がる。 「ダメ!」  しかし、姉に止められる。何故か大袈裟に抱きついてきながら。 「というより行っていいの? そんなことしたらお姉ちゃんはたっくんの部屋に入って、枕に顔を押しつけて思いっきり息を吸ったり、ごみ箱の中にある、たっくんの男の匂いが染み付いたティッシュを漁って、すーはーしたり、タンスの中の下着を部屋に敷き詰めて今日の使用済みを、鼻に押しつけてくんかくんかしちゃうよ!? いいの?」  俺が姉のその程度の変態行動で止まると思っているのか。なんせ…… 「それって、俺が帰ってくるまでの間に、お前がいつもやってることだろ?」 「う……!? なんでそれを」  驚いている唯愛をみて、溜息を吐いてから答える。
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