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「だってお前、隠す気ないだろ? ティッシュは、それだけが異様にごみ箱の上のほうにあるし、下着はタンスの中見るたびに配置が代わりまくりだし、ベッドは毎朝ベッドメイキングしているのに、帰ったらぐしゃぐしゃだし」
「うう……」
「鍵を賭けてもピッキング、チェーンロックをしても壊す。おかげで対処のしようもない」
「ううう……」
「それに家にいたら起きたとき、横に唯愛がいそうで怖いし」
「違うもん! 下にいるんだもん!」
弁明になってないぞ。むしろ悪くなってんじゃん。
「やっぱり家には居れないな……」
「そんなぁ~じゃあ私は一人でこの部屋で寝ないのいけないの?」
自分の部屋で寝ろよ。それが普通みたいに言うな。
「付き合いきれないな。俺はいくぞ」
「いいもん! だったら一人でたっくんの部屋物色してるもん!」
今度は出ていくのを止められはせず、唯愛は後ろで吠えた。
好きにしろよ。もうお前に何されても驚かないから。
さて、誰の家にいこうか?
今突然行っても大丈夫で、俺も気兼ねなく一緒に居れるようなやつ……か。
あいつかな。
俺は目的地を決めてそこへと歩いて行った。
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