1-4 現れる常識人……?

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***** 『きて……ださい……ま』  ん? なんだ? どこかで聞いたことがあるような声が……。 『起きてください! ご主人様!』  !? な、なんだ! この光景は!? 『やっと起きてくれましたね……もう! 毎朝起こすほうの身にもなってくださいよ』  そんな馬鹿な……! な、なんでリオちゃん(9)が、俺の目の前に!? しかも……しかも、メイド服だと!? 『もう、何言ってるんですか? これはこうしろってお兄ちゃ……ご主人様がそう言ったからでしょ?』  俺が言っただと……?  いやそれより、何故リオちゃんがいる? それに、さっきのお兄ちゃんって…… 『もう、本当に何言ってるんですか? 私たち……兄妹になったんじゃないですか』  兄妹……妹だと? ははは……そんな馬鹿な。  あの両親が別れるなんてありえない。これは夢だ。夢に決まってる……。 『それとも……お兄ちゃんはやっぱり、私のこと妹だなんて思ってくれないのかな?』  !? そ、そんなわけないだろ! リオちゃんが妹になってくれるなら、嬉しいに決まってる!  俺じゃ兄としては頼りないかもしれないけど……でも!  ……リオちゃんのためなら、俺はどんな自分にだってなるよ。 『お兄ちゃん……じゃあ――』  リオちゃん、そんなはしたない! なんて格好を! 『やぁ~あ……私のことは、リオって……呼んで?』  !? ……ああ。分かったよ。リオ。 『じゃあ、私のお兄ちゃんへの本気……もらってくれる?』  もちろんだ。その本気もちゃんと伝わってる……だから―― 「うお――! リオー!」  そうしてベッドに仰向けになり、スカートをたくし上げていたリオに覆いかぶさろうというところで、目を覚ました。 「……………………」  辺りを見回す。ここは……大輝の家だな。  うん、横では未だに寝息を立てて大輝が寝ているし。そうだったな。昨日は泊まりにきたんだ。  数秒間その状態で固まった後、理解した。 (やっぱり、夢かよ!)
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