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――みんなが好きなものは何だろうか――
スポーツだとか食べ物だとか動物だとか、いろいろとあるだろう。
そのなかでも特に、好きな異性のタイプというのは重要なことだ。
俺だってある。それは純粋な心を持ち、隠微さを漂わせる発展途上の体。
年齢的には六歳くらいから十二歳くらいまでの間――言ってしまえば、小学生である。
一般的には、ロリコンなどと呼ばれている部類の人間だ。さらに、一般的には引かれる存在でもある。
だが、だから何だ? それの何がいけない。
ただ俺が好きで、恋愛対象として見ているのが、背が小さく、年齢が幼い女の子だっただけじゃないか。少なくとも俺は、そんな自分に誇りだって持っている。
それに、世間では年の差婚なんてものがある。場合によっては四十歳差という、親子以上の年齢差だってあるものだ。
それに比べたら、高校二年生の俺との差なんて、どうということもないことだろう。
結局は愛。それがあれば何も関係なんてない。そして俺はその愛の故に、今こうしているのだ。
「はぁはぁ……まなちゃん……」
と息を荒げて、俺は下校中の、まなちゃん(9)のあとを付けていた。
まなちゃんは、くりりとした瞳とさらさらのツインテールがチャームポイントの、地元小学校に通う三年生だ。
「やっぱりいつ見ても、まなちゃんは最高だな~」
鼻歌を歌いながら、帰っているまなちゃんを、幸せな気持ちで眺める。
だがすぐに、気持ちを切り替えて、俺は辺りを注意ぶかく見渡す。
(……大丈夫だな)
ホッと胸を撫で下ろす。
一応言っておくが、これはストーカーではない。
ただ、俺の好きな人が変なやつに変なことをされないように、見張っているだけだ。
それをあんな最低な行為と比べないでほしい。
そう。俺はまなちゃんを守っているのだ。
ただ、まなちゃんは恥ずかしがり屋だからこうやって、緊張しないようにあとをつけて、気づかれないようにし、普通の生活を送って貰えるようにしているけどね。
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