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ちなみにさっきの状況は、ドアからだと声しか聞こえなかった。
布団の中でもぞもぞと動く何かは確認できるが。向き的にも顔も見えないし。
まぁ、布団で隠れているから何をしているのかなんてわからないし大丈夫だろう。これをもっとくわしく描写したら、完全にアウトになるのでしないが。
つーか、なんだこの部屋? すごいニオイだ。
唯愛のメスの匂いがぷんぷんするぜ。
早く換気しないと、これに染まりきってしまうな。いやそれよりも前に……
「でてけ」
部屋から唯愛をつまみ出す。
唯愛はTシャツを着ているだけで後は何も身につけていなかった……ってそれ俺のじゃん。いや、もういいけどさ。そのくらいは。
俺は唯愛に向かって忠告をする。
「今日から五日、俺の部屋には絶対に入るな。一生っていいたい所だけど無理だろうし。いいか? もし入ったら、そのときは俺、お前と二度と口聞かないし、この家出ていくから」
「!? わ、わかったよ!」
唯愛は頷く。
これでひとまずは大丈夫だろう。あの時と違って、今はまだ常識がないこともないはずだ。
たぶん、俺の言葉を素直に聞いてくれる。
ドアを閉め、ベッドに目を移す。
「うわ……すごいな。本当におもらししたみたいだぞ」
シーツ以外は……大丈夫だな。ってなんだこれ?
「パンツ……」
唯愛のだな……。うわ、これもすげービチョビチョだな。水分を吸って、随分と重くなってる。
ってやばっ! 手についた!
しかもなんかネットリとして、糸を引いてやがる……。不潔だ。
「学校に行く前に洗濯しとかないとな……」
俺は服を着替え、窓を開け、シーツとパンツを洗濯機に詰め込み、部屋に戻った後、鞄を持ち、キッチンにいた唯愛(制服を着ている)に声をかけた。
「それじゃ、先行くからー」
「え? たっくん、朝ご飯は?」
「その辺で買って、学校に行ってから食べるからいいよ」
「そ、そういってらっしゃい。たっくん!」
「いってきまーす」
そうして俺は家を出た。
さっきの感じ、朝食作ってたんだろうな。唯愛には悪いが食べないぞ。
別にまずいとかそんなことはない。むしろ美味しいと思う。
けど、今日はあんなことがあったんだ。
いつもよりも冷たいくらいじゃないとダメだ。意識してやっていかないとな。
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