1-1 現れる変態たち――主人公

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 しかし、本当に可愛いなぁ~。抱きしめたい。  さっきまでは友達と一緒に帰っていたけど、別れてからはこう……なんか違うんだよ。  自分一人だっていうことの、解放感というか、自由になったことで雰囲気が変わってるんだ。  おかげで俺のあれもビンビンに……おっと、この話はやめておこう。  今は自分の使命を全うしなければ。 *****  まなちゃんの家まで着いた。これで俺の役目も終わり……にはならない。  当たり前だ。そんなに簡単に終われば、俺なんていらないんだ。  ここで帰るなんでただの馬鹿じゃないか。  なんせ小学生だぞ? 帰った後も、遊びに出かけることはある。ないときもあるけど。  とにかく、そういうわけで俺は、まだまなちゃんの身の安全を守るため、こうしてないといけない。  俺は、電柱に隠れて見張りを続けた。  しかしいつも思うことだが、俺がこうやってまなちゃんを見ているかぎり、ようちゃん(6)やえみちゃん(8)を守る人がいなくなってしまうのは、やはり忍びないな。  まったく三人くらいに分身できないものか……。いや、それだけじゃ足りないんだけど。  そんなことを考えているとまなちゃんが家から出てきた。 「ふう……。よかった。無事でなによりだ」  最近の世の中は物騒だ。  もしかしたら、階段で転げ落ちてしまったり。  まなちゃんを狙って家の中に入り、襲う変態がいたり。  家の中に入った露出狂が、自分の粗末なあれを見せ付けたりしているかもしれない。  まなちゃんほどの可愛さだ。ありえないことではない。  みんながみんな、俺みたいな紳士ではないのだからな。 「お、おい……何だあれは!?」  俺はその光景を見て驚愕した。  それはその美貌にではない。  もちろん、いつもその姿には心を揺さぶられているけれど、そうじゃない。  俺は怨みがましい視線をまなちゃんの隣に向ける。 「誰だあいつ……気安く話し掛けやがって」  それは見覚えのない男。  見た目的に大学生くらいだろうか。そいつがまなちゃんに話しかけていた。  まなちゃんはどうやら知り合いのようだが、俺から見れば、あれは絶対卑猥なことを考えている。そういうやつだ。顔が物語っている。
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