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しかし、本当に可愛いなぁ~。抱きしめたい。
さっきまでは友達と一緒に帰っていたけど、別れてからはこう……なんか違うんだよ。
自分一人だっていうことの、解放感というか、自由になったことで雰囲気が変わってるんだ。
おかげで俺のあれもビンビンに……おっと、この話はやめておこう。
今は自分の使命を全うしなければ。
*****
まなちゃんの家まで着いた。これで俺の役目も終わり……にはならない。
当たり前だ。そんなに簡単に終われば、俺なんていらないんだ。
ここで帰るなんでただの馬鹿じゃないか。
なんせ小学生だぞ? 帰った後も、遊びに出かけることはある。ないときもあるけど。
とにかく、そういうわけで俺は、まだまなちゃんの身の安全を守るため、こうしてないといけない。
俺は、電柱に隠れて見張りを続けた。
しかしいつも思うことだが、俺がこうやってまなちゃんを見ているかぎり、ようちゃん(6)やえみちゃん(8)を守る人がいなくなってしまうのは、やはり忍びないな。
まったく三人くらいに分身できないものか……。いや、それだけじゃ足りないんだけど。
そんなことを考えているとまなちゃんが家から出てきた。
「ふう……。よかった。無事でなによりだ」
最近の世の中は物騒だ。
もしかしたら、階段で転げ落ちてしまったり。
まなちゃんを狙って家の中に入り、襲う変態がいたり。
家の中に入った露出狂が、自分の粗末なあれを見せ付けたりしているかもしれない。
まなちゃんほどの可愛さだ。ありえないことではない。
みんながみんな、俺みたいな紳士ではないのだからな。
「お、おい……何だあれは!?」
俺はその光景を見て驚愕した。
それはその美貌にではない。
もちろん、いつもその姿には心を揺さぶられているけれど、そうじゃない。
俺は怨みがましい視線をまなちゃんの隣に向ける。
「誰だあいつ……気安く話し掛けやがって」
それは見覚えのない男。
見た目的に大学生くらいだろうか。そいつがまなちゃんに話しかけていた。
まなちゃんはどうやら知り合いのようだが、俺から見れば、あれは絶対卑猥なことを考えている。そういうやつだ。顔が物語っている。
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