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そのうち何処か人気のないところに連れていって、集団でまなちゃんに禁忌を侵すに違いない。
嫌がっても泣き叫んでも、止めずに、あまつさえそれも、自分の興奮の材料にする。
そういうやつだ。それがやつの背後から溢れ出ている。
くそ! 離れろ! お前みたいなやつが話しかけていい子じゃないんだよ!
確かに顔はまぁまぁいいようだが、心が荒みきっているっているお前には、まなちゃんは似合わない!
お前はもう、救い用がないほど腐っている!
「それで? これからどこに行く?」
まなちゃんをたぶらかしやがって……どうせお前はすぐ見捨てるんだろう?
使い捨て何だろ? 雑巾のようによぉ!
「えっとね、えっとね公園!」
「分かった。それじゃあ行こうか」
っち、やはりここは俺が出て止めに入るしかないな。
そう思って、電柱から顔を出そうとしたとき――
「うん! お兄ちゃん!」
……ってなんだ。お兄様か。
まったく~変な心配させないでくださいよ~もう~。
びっくりしたじゃないですか~。
いや~よくみると、顔立ちがとてもよく似ていらっしゃる。
凛々しいし、優しさというものが雰囲気から滲み出て来ています。
きっと、心も澄み切っているに違いありませんね。
やっぱり俺の思ったとおり、まなちゃんのお兄様は、まなちゃんのお兄様が、代わりがいないほど、似合っておりますよ。
ふ……これはもう、俺がいる理由はなくなったな。
俺だって、空気の読めないやつじゃない。後は兄妹水入らず、任せればいい。
だから俺は――
「みのりちゃん(12)の所にいってこよう!」
そうして、手をつないで、歩いていく二人を横目に逆方向へと走っていった。
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