1-1 現れる変態たち――主人公

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 そのうち何処か人気のないところに連れていって、集団でまなちゃんに禁忌を侵すに違いない。  嫌がっても泣き叫んでも、止めずに、あまつさえそれも、自分の興奮の材料にする。  そういうやつだ。それがやつの背後から溢れ出ている。  くそ! 離れろ! お前みたいなやつが話しかけていい子じゃないんだよ!  確かに顔はまぁまぁいいようだが、心が荒みきっているっているお前には、まなちゃんは似合わない!  お前はもう、救い用がないほど腐っている! 「それで? これからどこに行く?」  まなちゃんをたぶらかしやがって……どうせお前はすぐ見捨てるんだろう?  使い捨て何だろ? 雑巾のようによぉ! 「えっとね、えっとね公園!」 「分かった。それじゃあ行こうか」  っち、やはりここは俺が出て止めに入るしかないな。  そう思って、電柱から顔を出そうとしたとき―― 「うん! お兄ちゃん!」  ……ってなんだ。お兄様か。  まったく~変な心配させないでくださいよ~もう~。  びっくりしたじゃないですか~。  いや~よくみると、顔立ちがとてもよく似ていらっしゃる。  凛々しいし、優しさというものが雰囲気から滲み出て来ています。  きっと、心も澄み切っているに違いありませんね。  やっぱり俺の思ったとおり、まなちゃんのお兄様は、まなちゃんのお兄様が、代わりがいないほど、似合っておりますよ。  ふ……これはもう、俺がいる理由はなくなったな。  俺だって、空気の読めないやつじゃない。後は兄妹水入らず、任せればいい。  だから俺は―― 「みのりちゃん(12)の所にいってこよう!」  そうして、手をつないで、歩いていく二人を横目に逆方向へと走っていった。
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