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俺はもう呆れて、パソコンに画面を向け直す。
「たっくん! そんなの見ないで、私を見て! たっくんにはお姉ちゃんがいるでしょ!」
「俺は妹が欲しかった」
「じゃあ、お兄ちゃんって呼んであげるから!」
「やめろ。気持ち悪い。俺の妹像を崩すな。壊すな」
そして、あげるという上から目線なのも気に食わん。
「そんなこと言わないでよ……私は、ただたっくんに喜んでもらいたくて……」
「余計なお世話だ……おお、これもなかなか」
無視して画面に目を向ける。
「うぅ……」
そうしていると、唯愛は唸りを上げる。
画面に反射した姉の顔は、涙目になっていた。
……あ、また微妙に硬度が低く……。
「もう! たっくんなんて知らない! たっくんなんて大嫌いなんだから!」
捨て台詞を吐いて、部屋を出ていった。
……本当にそうなってくれるなら、嬉しいのになぁ……。
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