家から飛び出した。

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しばらく歩くと、広場に出た。 そこには、いろんな色の猫たちが集まっていて、 みんなは、僕の方を睨んでしっぽをぶわあっと膨らませながら、口々に言った。 「誰だ!」 「見たことない奴だ!」 「ここに入ってくるな!」 「あ。ごめんなさい。今まではおうちで飼われていたんだけど、 家出してきたんだ。みんなと仲良くなりたくて」 「快適な家で飼われていたのに、家出をするなんて珍しい奴だな。 よし、その根性を見込んで仲間に入れてやろう」 僕は、仲間に入れてもらえた。 今まで僕は、おいしいごはんを飼い主からきちんと与えられいて、 自分でごはんをとってくるなんてことはしたことがなく、 みんなに「おまえ、なんにもできないのな」と言われながらも とってきてくれたものをくれたり親切にしてくれた。 そうして毎日を楽しく平和に暮らしていた。
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