家から飛び出した。

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僕は、疲れて眠ってしまっていたみたいで、 目を覚ましたときは、女の人の腕の中だった。 「あー。むうちゃん、目を覚ましたのー」 とても、やさしい声で安心した。 “むうちゃん”って僕のことらしい。 「眠りながら、むうむう言ってたから、あなたは、むうちゃんよ」 まわりを見渡すと、ホケンジョにいた猫たちもみんないて、 自由に動き回っているのもいたし、 こわがりさんは、まだケージの中から様子をうかがっているものもあった。 となりの部屋には犬がいて、“ホケンジョ”を教えてくれた老犬もいた。 ふわふわのクッションの上で、とてもしあわせそうに眠っている。 ここには窓があって、あたたかい光が差し込んできて、とても気持ちがいい。 庭にも、犬たちがいて、人間とボールで遊んでいてとても楽しそう。 ここは、“猫カフェ&犬カフェ”っていうところらしく、 ホケンジョにいる猫と犬とか、野良の猫と犬を保護している“猫カフェ&犬カフェ”らしい。 入場料を払ってお客さんがきて、飲み物を飲んだり猫をさわったり犬と遊んだりするところだそうで、 その入場料で僕たちのごはんとか病院の治療代なんかにあてているそう。 そして、時には、僕たちをひきとっておうちでかってくれるお客さんもいるそう。 そしたらまた、ホケンジョから猫や犬をひきとってきて また飼い主さんが見つかる。っていう仕組みらしい。 しばらくそうして幸せな日々を暮していたけど、 心の中には、ずっと前の飼い主のことがひっかかっていた。 僕の飼い主は今頃どうしているだろう。 やっぱり、急に家を出たから心配しているだろうな。 そうだ。おうちに帰ろう。 僕は、ここを飛び出した。 家の場所、ちゃんとわかるかどうか不安だったけれど、 ここは、どうやら家の近くだったらしく、 すぐに見慣れた風景にでてきた。
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