家から飛び出した。

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「むうちゃん!! もうっ! 心配したでしょうー」 猫カフェの女の人は、僕を見つけると、慌ててかけよってきて、 僕をぎゅーっと抱きしめてそう言った。 僕は、おかあさんに抱っこされているみたいに気持ちよくなって、 おっぱいを吸うように、足でふみふみして、口で服をちょっとくわえてちゅーちゅーした。 女の人は、 「こらあ。服が伸びちゃうでしょう」と困ったように笑いながら、 僕をますますなでてくれた。 しあわせの形はいろいろあるけれど、 僕にはここの暮らしが合っている。 僕の心はすっと晴れた。
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