161人が本棚に入れています
本棚に追加
桜の花びらが、ひらひらと舞い散って。
刺すような日差しに、目が霞む。
新しい制服の着心地の悪さに、ため息をついたら
「避けてっ!」
頭上に、何かが落ちてきた。
…っ。
じんじん疼く患部を押えて
痛みのせいで、声すら出ない。
「本当ごめんっ!大丈夫っ?!」
見上げた空は、蒼々しくて。
目の前には、太陽を阻む、太陽がいた。
それは高校入学から、数日経った時のこと。
最初のコメントを投稿しよう!