ぶどうジュースの物語

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「本当に雫ちゃんが好きで仕方ないのね、坊ちゃん」 「ははは…」 人生でモテた事は一度もないけど、万年大志くんにはモテモテだと自負してる。 でもちょっぴり虚しい。 「あの子も寂しいんだと思うわ、本当は連れて行ってあげたいんだけどね…」 「…はい」 やっぱり誰から見ても寂しいよね。 旦那様も少しは帰ってきて、そういうレジャーとか連れて行ってあげたらいいのに。 …それにしても大志くん、どこ行ったんだろう。 『二人じゃないなら大丈夫ってことだろ』 なんか意味深だったしな…。 まさか奥様にお願いでもしに行ったとか? ああ、考えただけで怖くなってきた。 とりあえず待つしかない、か。 それから竹中さんとシーツを全て干し終え、洗濯カゴを家に戻しに行こうとしていた時、近づいてくる足音が聞こえてきた。 顔を向けると、しょんぼりと帰ってきた大志くん。 これは奥様に怒られたんじゃ…。 「坊ちゃん、どこに行ってたんですか?」 「…二人がだめなら、奏人呼んで三人で行こうと思ったのに」 えっ? …奏人くんっ?!
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